2004年2月1日(日)午後5時25分、米国テキサス州ヒューストンのリライアントスタジアムに71525人の観客を集めて、キックオフされた第38回スーパーボウルは、AFC優勝のニューイングランド・ペイトリオッツ(東地区)がNFC優勝のカロライナ・パンサーズ(南地区)を、デッドヒートの末に、32対29で下し、2年ぶり2度目のリーグ優勝を果たした。MVPには、ペイトリオッツQBトム・ブレイディ(26歳)が史上最年少で2度目の受賞を果した。 米国北部を覆った寒波が南部まで影響したのか、スーパーボウルウィークは寒気の曇天が続いていたが、当日は朝から晴れ上がった。ダウンタウンから車で約20分、広大な敷地に旧アストロドームと新本拠チームのテキサンズ・ドームに挟まれる形で巨大なボックス型のリライアントスタジアムがある。7階にある放送ブースからフィールドを見下ろすと、視覚的にはほぼ卓球台の大きさ、
選手の番号を見取りにくいが、俯瞰する角度が高く、チームの動きを見るには最適だった。守備型チームの対決に目をこらすには不足はない。 ☆ 守備型といっても両チームに微妙な差があった。リーグ最小失点のペイトリオッツはタフなイメージが強いが、本質的にはアライメントやポジショ二ングで攻撃の混乱を誘う戦術先導型、仕掛けるという意味合いからすれば攻撃型守備の典型といっても良い。一方のパンサーズはブリッツを多用するが、スピードある反応と確実なタックルを基本とする守備の王道、言えば耐える守備である。この2つの守備が、パンサーズのRBデーヴィズのラン攻撃、ペイトリオッツのQBブレイディのパス攻撃にいかに対抗していくのか、大方の興味はそこに絞られていた。 私は、この同型異体の2チームの対戦が、スーパーボウルに新しい展開を生むのではないか、それを期待していた。
て、私は延長第5Q 突入を確信した。しかし、それは甘い判断だった。 ☆ 記者会見の対応でも2年間の成長に驚ろかされたが、QBトム・ブレイディは間違いなくNFLトップ級のQBとなった。冷静な態度、すばやい判断、すばやいリリース、的確なコントロールに、米国マスコミは早くもモンタナ2世の異名をつけた。速く正確なショートパスを中心に、48回で32成功、3TD。1インターセプトはボールの5ヤード周辺にレシーヴァーのいない不可解なパスでレシーヴァーのミスの可能性が高い。 表情を変えないブレイディと違って、感情が表情に出るのは、パンサーズのジェイク・デロウム(28歳)。どこかぎこちない動作だが、決定的な場面での集中力は出色だった。シーズン中に30ヤード以上の得点を許していないペイトリオッツ相手に39、33、85ヤードのTDパスを
☆ 間接的に勝負を分けたのは守備とならんで注目したキッキングだった。 前半の27分間を圧倒的に押されたパンサーズがファーストダウン零(反則によるFD1)ながら、無失点得点しかもフィールドポジションを前進させていたのは、Pサウワーブラムのパントと完璧だったFG対策(ブロック1)の結果だった。ペイトリオッツが前半最後のキックオフを、自然芝にもかかわらず、スクイーブキックして、結果3点を失ったのと好対照だった。だから、順調だったパンサーズのキックの唯一の失敗が敗戦に結びついたのも必然の結果なのかもしれない。 試合終了1分8秒前、同点に追いついたパンサーズは、続くキックオフを痛恨のミスキックでアウトオブバウンズに出し、敵陣40ヤードの好位置をペイトリオッツに与えてしまった。3タイムアウトを