Follow THE Cowboys! 10月篇(第6週終了)
(TOUCHDOWN PRO 12月号=10月末発売号から転載)
本命パッツ、対抗イーグルス、大穴コルツ&ブロンコス? 開幕前の予想が生きる10月、9月の旋風ジェッツ、スティーラーズ、ジャガーズ、ジャイアンツ、ファルコンズ、ラムズは生き残れるのか。 今月もG推薦10チームの動向を通じて、NFLの動きを追う。(後藤完夫)
ニューイングランド・ペイトリオッツ(AFC東1位、5−0)は公式戦19連勝の記録を達成、現代NFLの王道を驀進中。 ウエストコースト攻撃の理想形、過去13試合は必ず先制(=全勝)。相手の焦りを利用して、34(攻撃的)守備でテイクオーバー。第1Q終了時に2本差をつけるのが彼らの定位置、方程式。 モンタナ二世の異名もあるQBブレイディは、複数の主力WRを負傷で欠きながら、投げ分けてパサー・レイティング93・5はリーグ9位。58・7%の成功率だが、要
ダンスやハドルには痺れる迫力がある。 ピッツバーグ・スティーラーズ(AFC北、4−1)はQBに新人ロスリスバーガー起用で再建方針決定、RBステイリーが走りベティスがTDの、ラン主力攻撃パターンも順調。パスを中心にプラス5、サック17の守備は安定しているが、中盤から強敵相手だ。 インディアナポリス・コルツ(AFC南、4−1)はこれで良いのか。QBマニング兄は驚異のパッサーレイト116(成功率66%、TD率8・9%))で攻撃は2位と頑張るが、パスカバーがリーグ最下位で、守備は31位。トーナメント戦に備えて守備を建て直せ。 テネシー・タイタンズ(AFC南、2−4)は、平均22失点、22位の守備がアキレス腱となった。ジョージの後に入ったRBクリス・ブラウンは平均5・1ヤードの好走で608ヤードは2位。ただし、(負傷勝ちの)QBマクネアのパスターゲットがいない。
デンバー・ブロンコス(AFC西地区、4−1)は、良い感じで、守備のチームへ変身した。攻撃5位、守備1位。QBプラマーのパスに不安定さは残るが(87・4)、弾力走のグリフィン(2年目)に、オープン快足のドラウンズ(5年目)が加わったRB陣のラッシュはリーグ1位。移籍のCBベイリー、SSリンチ、指名1位のLB・DJウイリアムズが守備の柱と華になった。 カンザスシティ・チーフス(AFC西、1−4)も、ラン守備全壊から立ち直れない。QBグリーンのパス成績もワンランクダウンで、ヴァミールが取り組む新ボールコントロール攻撃で新たな糸口を探る。 ダラス・カウボーイズ(NFC東、2−4)には、パーセルズヘッドコーチ仕込みの規律とロイヤリティを期待したのだが、現在は大はずれ。反則や失策の多発での自滅が続く。シーズン直前の旧ジェッツ勢の大量雇用が、乱れを誘ったのだろうか。攻撃では最小の138ヤード(21回)だが守備では267ヤード(29回)を反則で失っている。
ミネソタ・ヴァイキングス(NFC北、4−1)は、QBカルペパーが絶好調、パッサーレイト127は従来の記録、ヤングの112・8(94年)を破る勢い。72%、TD率9・6%、INT率1・6%は凄い。ただ31位のパスを含め30位の守備はプレーオフに向けての大きな課題。 アトランタ・ファルコンズ(NFC南、4−1)の好調は、すなわち、NFL切っての人気選手であるQBマイケル・ヴィックの好調の証明。QBながら『NFLで最も速い』といわれるヴィックは平均6・1ヤード(NFL最高)で286ヤードをラッシュで稼ぎ、ファルコンズはラッシュ攻撃1位。左腕からのパスレイトは82・2とまずまず。しかし、原動力は対ラッシュ1位の守備、さすがモーラ新ヘッドの指導力、DEカーニーはサック7、LBブルキングはタックル42でチームリーダー。 キャロライナ・パンサーズ(NFC南、1−4)は、昨年救世主となったスティーヴン・デーヴィズ(膝)を筆頭に、フォスター(肩)、スマート(足首)と全主力バックスが負
傷、守備主力の負傷欠場も多く、『強く守り堅実に攻める』必勝パターンが吹き飛んだ。攻撃18位、守備10位だと、いくらナナが応援しても、せいぜい勝ち越し狙いになる。 シアトル・シーホークス(NFC西、3−2)は、攻撃、守備共に9位。好バランスなのだが、3連勝の後にミスで崩れた。強豪の仕掛けに対応できる奥深さが育っているのか。WRライスをレイダーズから獲得した、ホルムグレンの親心に好影響が期待できる。
。エルがリターンするキッキングが、最もエキサイティングというのでは寂しい。
クリーヴランド・ブラウンズ (4勝12敗、03年5勝11敗) 9勝から5勝へ、上昇気配から一気に逆戻り。下降の原因は、負傷と不安定QB争い、そしてエースRBウィリアム・グリーンの私生活(アルコール)問題だった。 JJ黄金期のカウボーイズDCだったブッチ・デイヴィズHCは、教育とモチベーションを重視する大学での指導が永い。このスタイルはベテランには敬遠されるが、新人プロや若年層には有効だ。オーナーは推すが、4年目のデイヴィズは正念場を迎えた。 若手カウチをパッカーズに放出、49ナーズからJ・ガルシアを迎え、QB問題に決着をつけた。もう一つの今年の目玉は、1位指名のTEケレン・ウインズロー。エアコリエル時代のチャージャーズ名TEのジュニアである。RACを恐れてTEをダブルカバーするプロでは珍しいシーンが見られるかもしれない。
ロビンスキーOCのラン優先戦法が再度確立できれば、ガルシアーウインズローのコンビが生きる。しかし、攻撃ラインで頼れるのはRTラッカーだけ。デイヴィズとキャンポDCの技術でカバーする守備にMLBアンドレイ・デイヴィズに続く中核が出来れば、プレイオフ再登場も可能だが。
AFC
インディアナポリス・コルツ (10勝6敗、03年12勝4敗) コルツ対イーグルズのスーパーボウル対決を予想する米国メディアも少なくない。 雪のフォックスボロで14対24と敗れたが、あと一歩、AFC選手権まで上り詰めた。99年QBペイトン・マニングが入団して以来、攻撃がリーグ12位以下にランクされたことはない。課題は守備。今年オフには、大きな戦力喪失もあった。NFL守備の、中興の祖であるT・ダンジーの真価が問われる年を迎えた。
オフに3人のスターターが抜けたが、トレードなどでのベテラン補充はゼロ。建て直しは手持ち若手とドラフト新人という大胆なスタンスだ。1位のSサンダーズを含めドラフト上位5人中4人が守備選手だが、ダンジーは自前調達に自信があるのか。バッカニアーズの二の舞にならぬ忍耐力が、オーナーのアイアゼイにあるのか。 キッキングは優秀。41回連続FG成功中で、キャリア成功率87・9%のリーグ記録更新中のKヴァンダージャットは文句なし。Pには、距離より結果を求め、20ヤードライン以内に46回蹴り、タッチバックはわずか12回、頼れるハンター・スミスがいる。キックリターンには、昨季中盤まではリーグ1位(28・6ヤード)だったピアットが負傷から復帰する。
テネシー・タイタンズ (9勝7敗、03年12勝4敗) RBジョージ(カウボーイズ)が抜け、DEカース(イーグルズ)が抜け、TEワイチェック(引退)がいないなら、もうタイタンズと呼べないだろう、
守備は記録じゃない、要所での気力だと、フィッシャーHCが最も得意とする守備の殴り合いに持ち込めば、ワンゲームワンゲームの結果がシーズンに積み重なる。OLBバロック、サーモンとCBロウル、SSウィリアムズを組ませた3−4守備からのパスラッシュ守備と、南地区に多い4ワイドチームに対応するニッケル守備が主力になるだろう。 キッキングはアキレス腱をいためたKネドニーが復帰、コントロールの良いPヘントリックは『ナックルキック』で急降下ボールを蹴り、ミスキャッチを誘う悪魔のキックがある。リターナーには快足新人ワデルを起用する予定。
ジャクソンヴィル・ジャガーズ (8勝8敗、03年5勝11敗) 飛躍の年となる。 2年目を迎えるジャック・デルリオHCは、次代を担う華がある。レイヴンズの3年間でLBルイスを最強に育て、パンサーズでDCを1年、40歳(グルーデンに次ぐ若さで)でジャックスのヘッドに抜擢された。しかし、初年度前半は任せるタイプのコーチングで落胆の2勝6敗。
課題は、キッキング。攻撃力に比して得点力がないのは不安定なキックのせいもある。Pハンセンが負傷から復帰することも、今年の躍進の鍵の一つ。 こうチーム作りを客観すると、デルリオの理想に、選手として在籍したJJ黄金時代のカウボーイズが浮かぶ。ポケットで冷静なQBエイクマン、頼れるRBスミス、スピード豊かな大型守備ライン、そして、堅固なセカンダリー陣……。どうだろう。
ヒューストン・テキサンズ (7勝9敗、03年5勝11敗) 新加盟3年目、テキサンズがいい感じで仕上がってきた。昨年も5勝だが内容は良い。NFCチャンピオンのパンサーズを破り、ペイトリオッツは延長戦へ、3試合は合計わずか9点差での敗戦、チーム力は確実に上がってきた。高レベルの南地区上位争いに食い込む体制は整った。 新加盟チームの育成をパンサーズで経験済みのドム・ケイパーズHCは、新加盟に多い初経験の新人の教育係としてOCパルマーとDCファンジオを選び、2人はその期待に応えた。
ケイパーズの哲学は、まずラン、そしてプレイアクションパス。02年ドラフト1位指名のQBカーは、強肩とリーダーシップで、着実に成長中。しかし、負傷にも悩み、成功率56・6%、インターセプト率4%と効率からみればまだ一人前とはいえない。 攻撃31位、守備31位と数字上はリーグ最低線の戦力だが、チームに決定力がついてきた。2年目のRBドマニック・デイヴィズは万能型。スター候補であるWRアンドレ・ジョンソンは188センチの大型ながら40ヤード4・3秒。加盟初年度は非力だった攻撃ラインも辛抱強い指導でLTピッツを核に育ち、トレードで穴を埋めた。守備はケイパーズの魂、負傷に悩んだ守備ラインにはDEウォーカー、LBには昨年タックル数リーグ1位のシャーパー、中心に大幅刷新のDB陣にはベテランCBグレンと中心がある。キッキングは安定したKブラウン。
デンヴァー・ブロンコズ (12勝4敗、03年11勝5敗) スーパーボウル狙いの年を迎えた。
フォーティナイナーズ(49ナーズ)からFA移籍したハースト、40ヤード4秒26で走る新人ベルを中心としたRB陣はコミティ方式になるだろう。TEシャープが引退、ロッド・スミスともう一人頼れるWRが欲しい。 4−3守備は、DEプライスのラッシュ、MLBウイルソンの動き、そして、ベイリーと共に獲得した前バッカニアーズのSSリンチが中心となりBクラスの上までランクアップした。1位指名の新人LB、DJウィリアムズは前評判が高い。なお、スーパー目指すなら、キッキングの向上は必須だ。
カンザスシティ・チーフス (9勝7敗、03年13勝3敗) 名将ディック・ヴァミール3年目の奇跡ならず、今年に持ち越されたスーパーボウル出場だが、戦力的には下り坂に一歩踏み出した。プレイオフ出場に十分のチーム力だが、ポストシーズンを乗り切るには、攻高守低でバランスが悪すぎた。
ただ、レシーブの主標的は依然ミスターTEのゴンザレス1人。スィープ、ドロー、トラップ、スクリーンとオープンを走らせれば絶品のRBプリースト・ホウムズも、慎重な起用もあって、30歳ながら、まだまだ絶頂期。RGシールド、LTロウフが中軸の攻撃ラインもトップ級。 今年はパンサーズ、コルツ、ペイトリオッツ、タイタンズと厳しい対戦の日程で、30歳以上のスターターが8人とエイジング傾向のチーフスには正念場だ。
オークランド・レイダーズ (7勝9敗、03年4勝12敗) スーパー出場から大転落、大幅モラルダウン、タフな悪役イメージも崩れたが、渋い銀黒で兄さん達には依然人気が高い。 スーパーボウル敗戦で、ウエストコースト攻撃の弱点が曝け出され、新HCだったキャラハンに対応能力なく、レイダーズは一気に並以下に急降下した。 辣腕のワンマン・オーナー、アル・デイヴィズは、伝統のパワーランとロングパスに戻し、誇り高く再びスーパーに照準をあわせた。
人気のWRトリオは、生きる伝説のライス、ブラウン(、ブラウンをトルツメ)が41歳、37歳(37歳をトルツメ)と老朽化、ポーターがエースとなった。LBロマノウスキーが去り、核のRBガーナーがバッカニアーズにFAで移動した。Sロッド、CBチャールズの2人のウッドソンは、DB陣の核に残った。 大量補強した守備ラインを主力に、20世紀型レイダーズが復活する可能性はある。
サンディエゴ・チャージャーズ (3勝13敗、03年4勝12敗) ウエストコーストの弱小チーム、95年プレイオフ出場以降勝ち越しシーズンがなく、そんなイメージは定着した。 昨年はリーグ最低勝率。しかし、大学ドラフトでは最下位に第1指名権がある。兄ペイトンに劣らない能力を持つ人気QBイーライ・マニングを獲得、再び人気と実力を取り戻す好機を得た。
会議の5日前、チーム代表は、今後のチーム躍進計画をまとめて父親のアーチー(元セインツQB)と面談した。翌日、マニングの代理人から「指名を望まない」との連絡があった。もし、指名されたら大学に残り翌年を待つと強調された。顔面を平手打された気分だろう、スーパーへの可能性の低い弱小チームと判断された。 チャージャーズは、会議当日イーライを指名。その権利をジャイアンツにトレード、 第1巡4位指名権を含む4つの指名権と交換した。←トルツメ そして1巡4位で大型、強肩のQBフィリップ・リヴァーズを指名したジャイアンツとその権利をトレード、他に来年の1巡を含む3つの指名権と交換した。損得は抜きに、チャージャーズファンにはさびしい話であろう。
NFC
フィラデルフィア・イーグルズ (12勝4敗、03年11勝5敗) 3年連続NFC選手権敗退と書くか、3年連続NFC選手権出場と表現するかで、大きな違いがあるが、私は前者、イーグルズはラストチャンスだろう。 今年のオフに、最後の切り札的に大物2人を獲得した。49ナーズのWRテレール・オーウェンズ、そしてタイタンズのDEでジェヴォン・カース。 4年目を迎えたHCアンディ・リードは、彼のゲームは(水)、(木)と形容されるほど、準備を重視する。師であるホルムグレン(現シーホークス)の教えだろう。今年アシスタントHCにウエストコースト攻撃に習熟したモーニンウェグ(前ライオンズHC)を迎えた。彼は49ナーズOC時代にオーウェンズを知り尽くしている。 攻撃は、ワンマンQBマクナブに負うところが大きい。成功率57・5%、レーティング79・7と記録は中の下だが、彼の真価はクラッチ(勝負所)でビッグプレイをやってのける強気な闘争心である。
DCジョンソンは、モーラ―トービンの流れを組むLBを動かす、積極タイプの守備をみせるが、昨年は26テイクアウエーに終わっている。ジョンソンはカースを左右に動かして配置させたかったが、脚負傷の影響で左に固定、右のラッシュは2年目のマクダグルの成長を待つ姿勢。 大物は迎えたが、攻撃4人、守備3人大量7人のスターターを失った。とくに、RBステイリー(去年チームに不協和音を呼んだ)、名手ヴィンセントと大型テイラーのCB2人、昨年のチームMVPのMLBエモンズを失った影響は大きい。 昨年のチーム成績は、攻撃18位、守備20位で中の下だった。それでも13勝をあげ、不安なく地区優勝したのは、結局はマクナブの実践力が大きい。パンサーズに3対14と敗れた昨年NFC選手権も4インターセプト(うち3がマクナブ)が敗因だった。結局、マクナブ次第の勝負の年になる。
ダラス・カウボーイズ (11勝5敗、03年10勝6敗) さすがビル・パーセルズ、すべてが重厚で、深い。
ミシガン大時代から、強肩、センス、リーダーシップで知られたが、最近3年間はMLBヤンキース組織の三塁手であり、少なくとも1年間はリハビリを兼ねて3軍QBとすることは周知されている。 チーム力はリーグ1位の4−3守備、攻撃は15位。DTグラヴァーと8サックのDEエリスの守備ライン、ラン守備とブリッツではリーグ一のSSウィリアムズのDB陣も良いが、ベスト3ダウンLBの評価があるダト・ウィン、コークリー、シングルトンと揃ったLBが一流。 この1年の進歩を見るのが楽しみだ。
ワシントン・レッドスキンズ (9勝7敗、03年5勝11敗) スーパーボウル3戦全勝、NFL史上に残る伝説の名将が戻ってきた。新生レッドスキンズを待ちわびたワシントンは熱狂的な歓迎である。引退から12年後の復活で、フィールド内外では大きな変化がある。復帰を決断してから、わずか7ヶ月で迎えるNFLのフィールド、81年の初シーズンは5連敗で始まった。
レシーブも速くスマートなWRコウルズ、大型のガードナー、TEラズビーなど豊富で有能。攻撃ラインは強い。サミュエルズとジャンセンは、リーグを代表するOTコンビ。出戻りCレイマーは万能。25位だった守備は、契約でもめているがLBアリントンが中核。 ギブズのチームはシーズンが深まると共に向上する傾向があった。ギブズ・マジックは現在も通用するのか。
ニューヨーク・ジャイアンツ (4勝12敗、03年4勝12敗) パーセルズ、ギブズ、そして今年からジャイアンツのHCとなったトム・コフリンとNFC東地区は、伝説の名将集団となった。一番強面のコフリンは就任会見で、「まず、最初にやるべきは誇りの回復だ」。規律の男である。 新人・ベテランの意欲を総チェックして、ロスターを一新、スタジアム周辺の雰囲気も大幅変更―選手ロッカーの照明から、フリーウエイト中心のトレーニングプログラムまでーすべてを最上にした。
キッキングもコフリンの激怒をかいそうな不安がある。
ミネソタ・ヴァイキングズ (9勝7敗、03年9勝7敗) もう一度、チャレンジ。 期待された昨季は、結局、NFL史上2チーム目の最悪(珍)記録を作ってしまった。 開幕6連勝しながら、最終10試合で7敗を喫し、プレイオフ出場を逸するという大崩れ記録である。しかも、弱小カーディナルズ相手の最終試合の、最終プレーで28ヤードヘイルメリーパスを許した痛恨の敗北である。課題として残ったのは守備。昨季前半の快調を指導した大ベテランのオレイリーDCに限界があった。 しかしプレイオフを逸したとはいえ、HCマイク・タイスの再建作業は順調である。 5勝を受け継ぎ、6勝、9勝と着実な向上、3年目の今年はプレイオフに再チャレンジする。
WLBを様々のポジションで生かす、ペイトリオッツスタイルの起用も検討中。CBティルマン、FSブラウンのDBはスマートで安定。もともとリターンはキックのアズマー、パントのマクォーターズ共に一流だ。
デトロイト・ライオンズ (8勝8敗、03年5勝11敗) 2年目のスティーヴ・マリウッチHCがミラクルを起こす可能性もある。ウエストコースト(WC)攻撃の完成は最低2年は必要、そしてQBハリントンは今年で3年目を迎える。マリウッチはご存知WC攻撃の申し子である。 しかし、ライオンズの決定的な弱点は精神面。過去3年ロードゲームでは全敗といったNFL最長の、ふがいない記録から脱することが出来るのか。 49ナーズを感情的な衝突から解雇されたマリウッチは、昨年ここ北国のドームスタジアムでOC兼任でWC攻撃の完成を目指し、薄い選手層と負傷の対応におわれた。
カロライナ・パンサーズ (9勝7敗、03年11勝5敗) 奇跡的な大躍進で、スーパーボウル初優勝まで3点と迫ってから、7ヶ月。パンサーズは追われる立場に立った。 しかし「新たなるスタート、昨年と今年はまったく別のもの。精神的にみても、去年と今年はまったく違う」、J・フォックスHCはシーズンイン直前に、こう宣言して、ゼロからの出発を強調した。 5人のスターターが去ったが、フォックスはメンタルなチャレンジに意欲を燃やしている。彼はジャイアンツのアシスタント時代に、第35回スーパーボウルに出場、翌年はプレイオフ出場を逸した経験がある。王者を襲うスーパーボウル病、高待遇を求めチームが崩壊する傾向へ対策を打った。オフに新勢力を追わずに、まず現有のベテランの維持につとめたのは、FAでなくドラフトでチームの核を育てる、これまでの方針を堅持が、スーパーにつながる道であることを、彼は確信しているからだろう。
売り物の守備は安定、サイズと機動性も持つTジェンキンズ、鋭いパスラッシュDEペパーズ、ラッカーの守備ラインはAクラス。スピードが特色のLBの軸はMLBモーガン、ホジキン病からフィールズが復帰すれば厚みが出る。FAでCBハワード、FSグラントが去ったDBも再建の年である。スーパーの場外キックオフで非難を浴びたが、Kケイシーはリーグトップ級。Pサウワーブラムもベストパンターの1人。スミスのリターンも?有力な武器のひとつである。
アトランタ・ファルコンズ (8勝8敗、03年5勝11敗) 天才QBマイケル・ヴィックの負傷ですべてを失った昨年。 再建の今年、ヴィックを全面に押し出した新計画に取り組む。推進するのは、シーズン中途で辞職したリーヴィーの後任、49ナーズのDCだった42歳のジム・モーラ・ジュニアHCと昨シーズン中途でバッカニアーズから移ったリッチ・マッケイGM。2人は負け癖のついたチームに意欲を回復させる第一ステップに取り組んだ。ヴィックとコンビを組むエースWRの獲得である。
エースWRホーンは78捕球、10TDと記録は合格だが、決定的場面でのパスドロップ、意欲のないブロッキングがチームモラルをダウンさせた。負傷に悩んだストルワースが復活、ペイソン、マイケル、新人ヘンダーソンと層は厚い。Cに移動したベントリーを筆頭に攻撃ラインは平均点。 ドラフト1巡指名を3人並べた守備ラインは、他チームがうらやむが、DEハワードをはじめ今一歩伸び悩み。期待したFSテバッキー・ジョーンズ(パッツから獲得)に基礎技術の未熟が目立ち、中核のないDB、地味だが堅実なCBトーマスが代役を勤める。 タレント十分、態度と成熟が課題。解決すれば、ワイルドカードは期待できる。
タンパベイ・バッカニアーズ (8勝8敗、03年7勝9敗) スーパーボウルから急転直下、負け越しへ。バッカニアーズも近年のスーパーボウルシンドロームに巻き込まれた。 表面的には負傷続出がその主因に見えたが、オフに明白になったのが、とくに攻撃で目立った、タレント不足。キッキングを含めた、決定力不足。